榊原 茂典 プロフィール |
1947年6月 1970年3月 2007年6月 |
:埼玉県川口市生まれ :早稲田大学理工学部卒業 :35年間のサラリーマン生活から引退 |
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'69年当時の私です |
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私は小学生時代の大半を木曾福島で過ごしました。
当時の木曾谷は静寂に充ち、谷を閉ざす山々にはゆったりとした時間が流れていました。
朝学校に通う道すがら、授業中の教室、学校からの帰り道、夕餉の時間などに、 しじまを破るD51の汽笛が谷間に長く谺したことを、昨日のことように思い出します。 それは子供にとっては正確な時計代わりでした。 赤ナンバー、青ナンバー、黒ナンバーのD51が次々と駅に入っては出ていきます。
チョコレート色の客車列車もありました。黒い煙を上げる後押し付きの貨物列車もありました。 そんな光景を眺めているうちに、いつの間にか毎日出会うD51達が私の友達となっていました。
同じように見える蒸気機関車ですが、それぞれに個性があり、私にも大好きな機関車ができました。
毎日会える訳ではないので、好きな機関車に出会えた日は心がうきうきして一日中ご機嫌でした。
そんな遠い昔の日々が瞼を閉じると懐かしくよみがえります。
今でも私にとってD51のいた木曾谷は故郷なのです。
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